季節がもたらす「まほろばの里たかはた」の自然の表情をコラムでお伝えしていきます。
9月
住まいの目の前の、たわわに実った稲穂越しに飯豊連峰を眺める。
農家は、稲刈りの準備に大いそがし。
蕎麦の白い花も満開。
春は、大地が目覚めるとき。
草木や人は背筋を伸ばし、生き生きと
活動を始めます。
飯豊連峰の眺めは、格別です。
8月上旬まで、沢筋の雪渓を望むことができます。
夏は、日差しが強く、大地の鼓動が
高まるとき。
稲は、すくすくと育ち、お盆のころ
には、稲の花が咲きます。
秋は、何と言っても実りの秋!
木々は紅葉し、冬に向け葉を落とし、
雪の重みに耐える準備をします。
冬は、大地が眠るとき。
雪原を眺めていると、不思議にまちを元気にする構想が湧いてきます。
2021年1月の積雪量は、昨年の雪が少なかった年に比べれば、かなり多いように思えますが、実際には平年並みというところでしょうか。
大自然の恵みに感謝をし、雪とうまく付き合っていくことにしましょう。
絶景かな飯豊連峰
小暑・大暑
7月に迎える二十四節気には、小暑・大暑があります。
小暑・大暑は夏の季語とされ、
小暑は夏の中間とされる夏至からちょうど2週間目ごろにあたり、今年は7月7日。
【暑くなり始める時期】という意味です。夏の南風によりぐんぐん気温が高まり、
晴れの日が増え、セミが鳴き始める頃とされていますが、今年は季節が早まって
いるようですね。
大暑の日は7月23日で、今年は土用の丑の日と重なりますが、実際は大暑の期間は
立秋の前日までの約二週間を指します。湿度が高くなり、蒸し暑くなります。
土用の丑の日にはウナギを食べる習慣もありますが、これは一番暑さが厳しい時期
を乗り切る知恵なのでしょう。
今年は、暑さが厳しいといわれますね。暑さの中にも四季の移ろいを感じられる
変化がたくさんあります。
五感で感じながら新鮮な空気を体中にいきわたらせ、健康に過ごしましょう。
七月の季語にも
美しい日本語がたくさんあります。
白南風(しろはえ)とは、梅雨明けに吹く南からの風のこと。
夏らしいすっきりとした青空を見上げて、南からのあたたかい風にふれ
夏の到来を五感で感じる...
蝉時雨とは、多くの蝉の鳴声が聞こえる様子を、時雨が降るときの音に
たとえたもの をあらわします。夏の蝉の声にわびさびを感じている、
実に日本的な表現といえるでしょう。
今年は梅雨の時期も早々に過ぎ去り、長い夏がやってきました。
暑さの中にも涼を感じられる一瞬があります。
自然の表情の豊かさに触れ、暑い夏を乗り切りましょう!
立秋は二十四節気の13番目にあたり、今年は8月7日からになります。
この期間は七十二候では、三つの期間に分かれ、
涼風至 (すずかぜいたる) わずかに強く、涼しい秋風が吹き始める
寒蝉鳴 (かんぜみ なく) 蜩やつくつく法師が鳴く
蒙霧升降(ふかききり まとう)もうもうと霧がたちこめる
頃となります。
8月初旬では、まだまだ残暑が厳しいものの、朝晩はどことなく涼しい風が吹き
秋の気配を感じられるようになります。
蜩の声を聴くころになると、暑さが落ち着きホッとするとともに
夏が過ぎ去るのがちょっと寂しくも感じますね。
もうすぐ実りの秋!暑さを無事乗り切ったご褒美には、秋の恵みが
たくさん待っています。日本の四季の豊かさに感謝して過ごしましょう。
220808
暑さ厳しい八月の季語には、暑さの中にも
涼しさや風を感じられるものが多くあります。
盆東風・秋涼...
山滴るとは、夏山の木々や葉の緑が青々としていて瑞々しさがあるという意味
精霊舟 は精霊流しに用いる麦わらや木などで作った盆舟をさす
桐一葉とは、桐の葉が落ちるのを見て秋を知ること
お盆にはご先祖さまをお迎えし、ひとときを過ごしまた来年無事にお迎えできることを
願う...
8月は、ことさら平和を願い、祈るときですね。
混迷のときに生かされているわたしたちは、一日いちにちの
有難さに感謝して大切に過ごしたいものです。
220810
処暑とは、夏の暑さがおさまる頃、を意味します。
今年は8月23日から9月7日です。
この間、七十二候では
初候 綿柎開 (わたのはなしべひらく) 綿を包むガクがはじけて純白の綿花が顔を出すころ
次候 天地始粛 (てんちはじめてしじまる)天地が夏の暑さが鎮まり、秋の気に引き締まるころ
末候 禾乃登 (こくものいましみのる) 稲などの穀物が実るころ
と季節が進みます。
この時期には台風も多く発生しますが、その雨風にも耐え、エネルギーを蓄えて実りの秋を迎える。
自然の厳しさとともに、豊かさを肌で感じる時期です。
自然に感謝し、謙虚に過ごしたいですね。
9月の季語には
名月 無月 雨月
というように月にまつわる季語がたくさんあります。
ほかに...
昔は月の満ち欠けによる暦だったために、
月齢によってそれぞれに想いのこもった名前もありました。
月齢15日のお月さまが十五夜(満月)
それ以降は月の出が毎日約50分ずつ遅くなっていきます。
16日目は 月が出てくるのをいざよう(ためらっている)ようだとして
十六夜と書いていざよい
17日目は まだかまだかと立って待つから 立待月
18日目は 待ちくたびれて座ってしまうから 居待月
19日目は もう床に入って待つので 寝待月や臥待月
20日目は 夜も更ける頃になるので 更待月(ふけまちづき)
というようです。
いにしえの時代から日本人は
月の美しさに魅了され、また特に秋の月には
こころを奪われていたのでしょう。
日々の生活の中で、ちょっと立ち止まり
夜空を見上げお月さまの美しさを
堪能するひとときを過ごしてみましょう。
白露とは9月の二十四節気のうちの一つで、今年は
9月8日から22日までの期間をさします。
露が降り、白く輝くように見える頃という意味で、
この時期になると朝晩冷えるようになり、朝露が降り始めます。
中国伝来の「五行説」では、秋は【白】とされており、このことから
秋のことを白秋ともいうようです。
この間七十二候では
草露白 (くさのつゆしろし) 野路の草花に露が宿り白く光る頃
鶺鴒鳴 (せきれいなく) セキレイが鳴く頃
玄鳥去 (つばめさる) 春先にやってきたツバメが南へ旅立つ頃
とさらに細かく分かれます。
日に日に秋が深くなって、実りの秋ともいわれるように
美味しいものが目白押しの季節になります。
心身ともに健康に過ごし、美味しい大地の恵みを
有難く感謝し、存分に楽しみましょう。
今年も早いもので秋分の季節になりました。
日本の四季を語るうえで大切な節目である秋分は
今年は9月23日。
この間の七十二候は
雷乃収声(かみなりすなわちこえをおさむ) 雷を伴う夕立が降らなくなるころ
蟄虫坏戸(むしかくれてとをふさぐ) 虫たちが巣ごもりの支度をはじめ、土の中に隠れるころ
水始涸 (みずはじめてかるる) 田んぼから水を抜き、稲の収穫に備えるころ
とさらに分かれます。
季節は日増しに深まっていきます。
今年は不安定な天候が続き、農作物の生育にも変化があるそう。
自然のめぐみに感謝のこころを忘れずに過ごしたいものですね。
10月の二十四節気は
8日からの 寒露
23日からの 霜降
さらに七十二候では
鴻雁来 (こうがんきたる) 雁が渡ってくるころ
菊花開 (きくのはなひらく) 菊の花が咲き始めるころ
蟋蟀在戸 (きりぎりすとにあり) 戸口で秋の虫が鳴くころ
霜始降 (しもはじめてふる) 初霜が降りるころ
霎時施 (こさめときどきふる) 秋時雨が時々降るころ
楓蔦黄 (もみじつたきばむ) 楓や蔦が黄葉するころ
どんどん冬に向かって季節が進んでいきます。
秋の夜長にお月さまを愛でながらもの思いに耽るも良し、読書にいそしむも
良し、豊かな時間を過ごしたいものですね。
また、寒暖の差が大きくなるこのころは、四季の色の移ろいが
よりはっきりと感じられる頃です。日本の色の表現の多さにも
注目してみましょう。
’23-4月20日は、二十四節気のひとつ「穀雨」です。
春の雨が全ての植物を潤すと言われています。
この時期は、大地のエネルギーを感じる季節でもあります。里山が萌えてきて、淡い緑が薄紫に見える美しさに安らぎを感じます。
春は、日々の寒暖差が大きいです。1日に15〜20度近くの気温の変化が多く見受けられることから、何となくだるさを感じたり、眠くなったりされることがあります。
冬から目覚めて迎える春の季節は、食事の栄養バランスや適度な運動を心がけることも大切です。
早寝早起き病知らず、とはよく言ったもので、睡眠をしっかり摂ることも大切です。
季節の一句
「摘み草や 三寸程の 天王寺」 正岡子規
あと2週間ちょっとで、暦の上で夏が始まる「立夏」
(5月6日)です。
季節の巡りは早いものです。
好きな季語 : 春日和(よく晴れた穏やかな天気)
木の芽どき(春になり、木々が芽吹くこと)